「思考法」とは何か
思考法が必要とされる場面
思考法との関連で、「頭のよさ」を因数分解すると次のような式で表せます。
このブログではたびたび登場する式ですが、
「生まれつきの頭がよくても、 ”頭の使い方” が非効率だと頭がよくはならない」
ということを意味しています。
「頭の使い方」に関しては、人の努力によって改善する余地があります。
「効率よく頭を使う」には具体的にどうすればいいんだろう?
頭を効率よく使うには「思考法」を学ぶなど、 ”自分に合った頭の動かし方” を知る必要があります。
その「思考法」って一体どんなもの?
ただ、これだけだと何のイメージも湧かないでしょうから、もう少し詳しく見ていきたいと思います。
思考法とはどんなものか?
思考法は、
「アリストテレスが礎を築きデカルトが発展させた」
とも言われています。
古代ギリシアの賢人たちは、ものごとの「考え方」を工夫をすることで人間の頭の働きがよくなることに気づきました。
そしていくつかの方法を編み出し、言語化して後世へ伝えることに成功したのです。
後世の人たちはそのバトンを受け取り、思考法として体系化、発展させてきました。
思考法とは、古くから伝えられている「考え方の工夫」のようなものだと理解できます。
実際に思考法を使ってみると、ものごとを順序立てて考えたり、新しいアイデアを思い浮かべたりするのに役立つ「ものの考え方」の一種だということがわかります。
思考法を使うことで、「頭の働きがよくなった」と感じられることもあるでしょう。
思考法は、人間の脳神経系の特徴をよく捉えているのです。
思考法で考えるとなぜ上手くいくのか?
思考法は、人間の考える力を引き出すための理にかなった「頭の動かし方」で、空手や剣道における「構え」や「型」とよく似ています。
あるいは人間の頭の使い方に関する手順書やマニュアルのようなものかも知れません。
いずれにしても、「こうやって考えた方が考えやすいですよ」と頭の動かし方について教えてくれています。
だからこそ、思考法で考えた方が上手くいくことが多いのです。
- 自分でいろいろ考えられるようになる。
- 考える意味のあることを考えられるようになる。
- より本質的な問いや答えにたどりつけるようになる。
- 脳が活性化され、知的生産性が向上する。
- 仕事のパフォーマンスが上がる。
思考法の本質とは?
思考法の本質は、「考えやすいように工夫して考える」ということです。
無理してウンウン唸りながら考えてもまともな考えが浮かんでくるわけがありません。
「頭を動かしやすいようにしてから無理なく考える」というのが思考法の目指すところです。
では、「考えやすい」「頭を動かしやすい」とは一体どういうことなのでしょうか?
人間の脳容量は、太古の昔に約1500ccに到達して以降ほとんど増えていません。
その理由は言葉や文字、絵や図などによって情報を圧縮できるようになり、脳容量そのものを増やす必要がなくなったからだと言われています。
そうは言っても、やはり認識しやすい情報としづらい情報があって、人間の脳神経系にピッタリはまるものの方が当然理解しやすいわけです。
思考法というのは、人間が認識しやすい形、理解しやすい形、伝わりやすい形に情報を加工するスキルだと言えます。
それによって、自らの洞察力や理解力を高められるだけでなく、人への伝え方、コミュニケーション能力を向上させることもできるのです。
- まず自分が何を考えるべきか、「論点」を定めてから考える。
- 考える「目的」を明確にしてから考える。
- 予備知識のない段階で、直観を働かせて「仮説」を立ててみる。
- 洞察を働かせて「規則性」や「法則」を導き出す。
- 複雑な話はシンプルに「抽象化」「モデル化」してみる。
- 問題解決はとりあえず「原因」から探ってみる。
思考法にはどんな種類があるのか?
思考法にはさまざまな種類があり、それぞれに面白い工夫が凝らされています。
- 論理的推論
- 論点(イシュー)思考
- 仮説思考
- 抽象化思考
- アナロジー思考
- 分析的思考
- クリティカルシンキング
- ラテラルシンキング など
- 論理的推論
- 論点思考
- 仮説思考
- 抽象化思考
思考法をタイプ別に分類してみた
- マイルストーン型: 考えるための道筋をつけてから考える方法
- 情報圧縮型: 脳が処理しやすいサイズに情報を圧縮してから考える方法
- 右脳活用型: 右脳的思考を駆使して考える方法
①のマイルストーン型は、思考の途中に必ず通過すべきマイルストーンを設定しておき、その順番通りに考えるというものです。
たとえば、最初に論点(イシュー)を定めてから考え始める「論点(イシュー)思考」、前提条件やそこに当てはめるべき事柄をひとつひとつ確認しながら進む「演繹的推論」などがこれに該当します。
②の情報圧縮型は、図や抽象概念を活用して脳が処理しやすいサイズに情報を圧縮し、それから考え始めるというものです。
「抽象化思考」や「概念化思考」がこれに当たります。具体的なことを抽象概念として捉えると、視野が広がって考えやすくなります。
脳が認知しやすいように知覚できることを際立たせてから考える「分析的思考」もここに含まれるでしょう。
③の右脳活用型は、直観や洞察といった右脳的思考を駆使して、創造的なアイデアや仮説を導き出そうとするものです。
経験から湧き上がる直観やひらめきが論理的思考によって裏打ちされれば、ひとつの理論体系や一般法則として他の場面にも応用が利きます。
「仮説思考」や「帰納的推論」などがこれに当たるでしょう。
まとめ
- 思考法にはたくさんの魅力とメリットがあります。
- きちんと理解して使えばデメリットはほとんど見当たりません。
- 「考える力」を身につけるには、思考法を学ぶのがベストだと思われます。