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日本の学校教育を考える

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日本の教育を受けた子供たちが将来自分で食べていけるのかどうか、受けた教育を生かせるような仕事が未来の日本にあるのかどうかについて考えてみました。

知識力と計算力に偏った日本の教育

「頭のよさ」というのは、概ね次の3つの要素から成り立っているものと思われます。

「頭のよさ」を構成する3つの要素
  1. 知識力(記憶力)
  2. 計算力(処理能力)
  3. 思考力(考える力)

日本の学校教育では、このうち知識力と計算力が重視される傾向にあります。

一方、思考力はというと「重要だ」と言われつつも置き去りにされている感があります。

これまでの教育や勉強が通用しなくなってきた?

団塊ジュニア世代である私が子供の頃は、ただ漠然と「学校の成績をよくしておけば高学歴になれる。高学歴になれば社会に出てからいい給料をもらえる仕事に就ける。」などと思っていました。

たぶん親や学校からそういう刷り込みがあったのでしょう。とにかく勉強さえしておけば、それほど苦労のない人生が送れるものだと思っていました。

それから数十年経ったいま、世の中の様相は一変してしまいました。

専門スキルの多くは自動化され、わからないことは検索エンジンで簡単に調べられるようになりました。

こうなると、受験勉強のような詰め込み式の学習はあまり意味をなしません。情報の陳腐化スピードが速すぎて、何を勉強してもすぐ「当たり前」になってしまうからです。

これまでのような教育や勉強は、現代社会を生き抜くための準備やトレーニングとしては、もはや通用しなくなってしまったと言えるでしょう。

なぜなら、「自分で考える」ということが一貫して置き去りにされているからです。

先人の知恵を学ぶだけの勉強ではもう限界?

これまでの勉強は、「昔の偉い人たちが考えたこと」を学んで理解するための勉強でした。先人たちの遺してくれた知恵や知識を学んでさえいればよかったのです。

しかし、AIの普及とともに知識や情報の価値は低下し、複雑な理論はどんどん簡略化され、既存のノウハウは陳腐化の一途をたどっています。

こうなると、「人間の価値はどこにあるのか」を真剣に考えざるを得ません。

自分自身がそこから目を背けても、世間がそういう目で自分を見てきます。「人間とAIだったら、どちらの方がコスパがいいだろうか?」などと値踏みしながら。

学校教育の場合、どうしても「インプット型」の勉強に偏りがちです。スピード重視かつ量産型の教育から脱却できない以上、それは仕方ないことなのでしょう。

しかし、そうした教育を続けていると、いずれ日本は「新しい価値」を生み出す人材を輩出できない国になってしまう恐れがあります。

AIがもたらす価値以上の価値を生み出せる人材を育てない限り、その可能性を否定することはできません。

何か新しいことを考える創造的な勉強にシフトすべき

これからは、「自分で何かを考える側」になるための勉強が必要です。

それは、これまでの勉強とは次元の異なるものとなるでしょう。

「人類の進歩に貢献できるような何か」を自分で考えるのです。

AIの普及によって、いままさに時代の転換期を迎えようとしています。

そこで必要となるのは、学歴でも単純な知識や情報でもありません。

自ら主体的に考えて行動する力、すなわち「地頭(ジアタマ)」なのです。

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教育界における「思考スキル」の位置づけ

ところで、いま学校教育において「思考スキル」はどのように扱われているのでしょうか?

学習指導要領では、思考スキルについて以下のような指導を求めているようです。

思考スキル意味時期
理由づける意見や判断の理由を示す小学校段階
順序立てる視点や観点をもって順序付けする小学生段階
筋道立てる物事を順序や構成に従って記述する中学年以降
変化をとらえる視点や観点を定めて変化を記述する中学年以降
構造化する順序や筋道,部分同士の関係を計画する中学年以降
具体化する学習事項に対応した具体例を示す中学年以降
抽象化する事例からきまりや包括的な概念をつくる中学年以降
推論する根拠にもとづいて先や結果を予想する高学年
変換する表現の形式(文・図・絵など)を変える全学年
関係づける学習事項同士をつなげて示す全学年
関連づける学習事項と実体験・経験をつなげて示す全学年
広げてみる物事についての意味やイメージ等を広げる全学年
焦点化する重点を定めたり軽重をつけたりして注目する対象を決める全学年
見通す行為の効果や影響についてのイメージをもつ全学年
応用する既習事項を用いて課題・問題を解決する全学年
要約する必要な情報に絞って情報を単純・簡単にする全学年
評価する視点や観点をもち根拠に基づいて対象への意見をもつ全学年
多面的にみる多様な視点や観点にたって対象を見る全学年
比較する物事を類比・対比することができる全学年
分類する属性に従って複数のものをまとまりに分ける全学年
パナソニック教育財団
https://www.pef.or.jp/05_oyakudachi/contents/pdf/02_4_taizan.pdf
地頭くん
地頭くん

こんな風に並べ立てられても、結局何が言いたいのかピンとこないのでは?

思考スキルが学習指導要領に盛り込まれても、それが教わる側にきちんと届いているのかどうかはわかりません。

生徒側にこうした思考スキルの重要性が認識されているのかどうか、甚だ疑問です。

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ジアタマ教育事業部
当サイトの編集者です。主に教育とその関連分野を担当しています。教育はその人のライフスタイルや仕事と密接に関わってきます。「大人は自分で立てた学習プランで学ぶべき」というのが信条です。世界の共通言語は「数学」と「音楽」だと思っています。
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