【論点思考】まず自分が何を考えるべきかを決める
何をするにしても「目的」がハッキリしないと、自分の進むべき方向やゴールがわからず不安になります。
それは「考える」ということにおいても決して例外ではありません。
目的が定まらずに曖昧なままだと、何となく頭が混乱して「考える」という作業すらままならなくなることがあります。
しかし、一度やるべきことが決まってしまえば、その後は俄然やる気が湧いてくるでしょう。
そうやって、「苦しい努力」を「楽しい努力」に変えられるのが論点思考のメリットだと言えます。
「いま何を考えるべきか?」と「何に答えを出すべきか?」をハッキリさせることで、目的や問題を可視化し、「考える」という知的作業の負担を減らすことができるのです。
論点思考とは
論点思考はイシュー思考とも呼ばれ、「真の問題は何か」を見定めた上で解決方法を探るという思考法です。
- 論点(問題)を設定する
- 問題を解決する
という手順を踏みます。
最初に「自分が考えるべきこと」や「解決すべき問題」を見定めてから考え始めるのが特徴です。
多くの場合、人は一度にひとつのことしか集中して考えられません。
このことに着目したのが論点思考です。
まず、考えるべきことを明確にして、ひとつの「疑問文」をつくります。
その上で「よし、この疑問文に答えを出すぞ」と明確な意志を持って頭を動かし始めます。
そうすることによって、論点として取り上げた問題に集中することができ、解決の糸口を見つけやすくなるのです。
論点を定めるときは、その問題の「抽象度」にも留意しておくと、より取り組みやすい論点の設定が可能になるでしょう。
論点思考が重視される理由
論点思考が重視されるのは、あらゆる論理的思考の出発点となるからです。
「何を考えればいいのか」がハッキリしないと、ものごとを集中して考えることなどできません。
論点思考の基本的な流れ
そこに注目して何かを考えようとする理由や背景を述べる。
「仮説」を立ててイシュー候補を拾い出し、その中から解決すべきイシューを絞り込む。
「疑問文」をつくってイシューを定め、そのイシューを解決するためのストーリーを展開する。
イシューを解決するまでのプロセスを埋める「サブイシュー」を設定し、それぞれ解決するためのストーリーを展開する。
必要に応じてサブイシューの解決に向けた「サブサブイシュー」を設定することもある。
サブイシューを解決するためのストーリーをつなぎ合わせ、全体イシューを解決するためのストーリーを完成させる。
「真の問題」を見極める方法
「何に答えを出すべきか」はどうやって考えればいいの?
「考える意味のある本質的な問題かどうか」と「答えがあるかどうか」で優先順位をつけるといいよ。
「答えがあるかどうか」の判別方法
「答え」があるかどうかを事前に見極めるには「仮説思考」を用いるのが有効です。
なぜなら、答えがなさそうな「問い」を設定してしまった場合、仮説を立てようとしても「答え」のイメージが思い浮かばないからです。それが試金石となります。
「これは、こういうことなのではないか?」という仮説のイメージが湧けば、そこから遡ってふさわしい「問い」を設定することが可能になります。
逆算的で気持ち悪いかも知れませんが、適切な問題さえ設定してしまえば、後は論理的に話を進められます。直観力なども駆使して乗り越えてしまいましょう。
「疑問文」をつくることの意義
ものを考えて成果を出すには、「何を考えるのか」がハッキリしていなくてはなりません。
そのために大切なのが「疑問文をつくる」という作業です。
初期にボタンの掛け違いのようなことが起こると、その後に考えたことすべてが無駄になりますので、最初の段階でしっかりとした「疑問文」をつくっておくことが大切です。
この疑問文が、論点思考において解決すべき「論点(イシュー)」となります。
問題解決と論点思考
問題解決と論点思考は、切っても切り離せない関係です。
よく、「問題解決力よりも問題を発見する力の方が大切だ」などと言いますが、それまで表面化してこなかった問題の本質を見極めるには、すぐれた洞察力や推論力が必要となります。
問題解決のための代表的なアプローチ方法は次の3つです。
- 「原因」を考えるところから始める
- 「仮説」を立てて当たりをつける
- 「答え」の見つかりそうなところからアプローチする
論点思考から戦略的思考へ
戦略的思考を実践するには、「難しくても何とか答えを出せそうな目的」に挑むことが大切です。
戦略を考えるときは「答え」を考える前に「目的(問題)」をどう設定するかが重要なプロセスとなります。
そんなとき役に立つのが、論点設定のプロセスを重視する「論点思考」なのです。
まとめ
論理的にものを考えるときは、
- まず適切な疑問文をつくり
- それについて検証を重ね
- 結論を導き出す
という手順を踏みます。
そのなかでも特に、最初の「論点」を定めるステップが大切になります。
これに失敗すると、考えなくてもいいことを考えて時間を無駄にしたり、本質的ではない問題に取り組んでしまったりするからです。
だからこそ、まず「何を考えるべきか」を定める論点思考が重宝されるのです。